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外食業の特定技能「受入停止」で
求人開拓はどう変わるか

2026年4月13日、特定技能「外食業分野」で新規の受入れが停止されました。2019年の制度創設以来、 分野の受入見込数に到達したことを理由に受入れが止まった初めてのケースです。 外国人材を扱う人材紹介会社・登録支援機関にとっては、求職者は集まるのに送り出す先がない という状況が、制度側の要因で発生したことになります。

この記事では、何が止まり、何は止まっていないのかを入管庁の発表にもとづいて正確に整理したうえで、 求人開拓の実務にどう影響するのか、そして次にどの分野が上限に近づいているのかを公的データで確認します。

01何が起きたのか

出入国在留管理庁は、特定技能「外食業分野」について 令和8年(2026年)4月13日以降に受理した在留資格認定証明書交付申請を不交付とする 一時停止措置を発表しました。理由は、同分野の受入見込数の上限に達する見込みとなったためです。

  • 外食業分野の受入見込数(上限)は 5万人(2024〜2028年度の5年間)
  • 2026年2月末時点で約 4万6,000人 に到達
  • 2026年3月末時点の在留者数は 47,714人、充足率 95.4%
  • 2026年3月下旬に方針が公表され、4月13日から交付停止

特定技能制度には、分野ごとに「受入見込数」という上限が設けられています。 これは努力目標ではなく実際に受入れを止める根拠になる数字であることが、 今回はじめて実証された形です。

02止まった手続きと、止まっていない手続き

ここを正確に把握していないと、求人開拓の判断を誤ります。 「外食業がすべて終わった」というのは正しくありません。

手続き取扱い
在留資格認定証明書の交付申請(海外からの呼び寄せ)停止
在留資格変更許可申請(留学 → 外食業、他分野 → 外食業)停止
「特定活動(特定技能1号移行準備)」への変更申請停止
外食業分野の技能測定試験の実施停止
すでに外食業で在留している人の在留期間更新継続
外食業分野内での転職(受入機関の変更)継続
技能実習「医療・福祉施設給食製造作業」からの移行例外的に可(枠の範囲内)

実務上の要点: 止まったのは「外食業で新たに特定技能1号になること」であり、 すでに外食業で働いている人の転職支援は止まっていません。 つまり外食企業への求人開拓が無意味になったわけではなく、 提案できる人材の母集団が「国内の既存在留者」に限定されたというのが正確な理解です。

03求人開拓の実務に起きる3つの変化

変化① 外食企業への新規求人開拓は「取れても送れない」

海外からの呼び寄せも、国内の留学生からの変更も止まっています。 新規に外食の求人を獲得しても、海外の求職者プールや留学生を充てることはできません。 従来の提案の型がそのまま通用しなくなった、ということです。

変化② 外食企業のニーズはむしろ高まっている

受入れが止まっても、現場の人手不足が解消したわけではありません。 新規採用の手段を失った外食企業は、すでに国内にいる特定技能人材の採用に需要が集中します。 転職支援という切り口では、提案の余地はむしろ広がっています。 ただし、対象者が限られるぶん、紹介会社間の競合は激しくなります。

変化③ 求人開拓の軸を他分野に広げる必要が出てきた

外食を主力にしていた紹介会社ほど、海外の求職者プールの出口が細くなります。 求職者は集まり続けるため、他分野の受入企業を新たに開拓しないと在庫が滞留します。 実際、外食の停止を受けて「他業界の求人開拓に力を入れたい」という動きは業界内で出ています。

04次に上限が近づいている分野

では、どの分野に広げるべきか。ここで重要なのは、 「人手不足が深刻な分野」ではなく「受入枠に余裕がある分野」を見ることです。 枠が埋まりかけている分野に注力すると、外食と同じことが起こります。

以下は、2026年3月末時点の特定技能1号の分野別充足率です(受入見込数は2026年1月23日の閣議決定にもとづく数値)。

分野受入見込数在留者数充足率
外食業50,000人47,714人95.4%(停止中)
飲食料品製造業133,500人96,367人72.2%
建設76,000人51,055人67.2%
介護126,900人74,745人58.9%
農業73,300人39,950人54.5%
航空4,900人2,577人52.6%
自動車整備9,400人4,925人52.4%
宿泊14,800人2,207人14.9%

※ 出入国在留管理庁の統計にもとづく集計値です。全19分野のうち主要分野を抜粋しています。

飲食料品製造業(72.2%)と建設(67.2%)が外食に次ぐ水準にあります。 特に飲食料品製造業は在留者数が全分野で最も多く、母数が大きいぶん到達も早くなり得ます。 なお民間の試算では、自動車整備・宿泊・飲食料品製造業・介護・農業の5分野が 2027年中に上限へ到達する可能性が指摘されています(株式会社JJS、2026年5月公表の独自試算)。 これは公的な予測ではなく一民間企業の推計である点には注意が必要ですが、 枠には限りがあるという前提で開拓先を選ぶ必要がある、という示唆としては参考になります。

05制度の枠組み自体も変わっている

今回の停止は単発の出来事ではなく、制度全体の再設計の中で起きています。 2026年1月23日の閣議決定により、次の見直しが行われました。

  • 特定技能1号の受入見込数を 82万人 → 805,700人 に精査(令和11年3月末まで)
  • 対象分野に「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」を追加し、計19分野に
  • 2027年4月施行の育成就労(426,200人)と合わせ、受入見込数は計 1,231,900人

上限が引き上げではなく精査(減少)された点は見落とされがちです。 枠は無限に広がるものではなく、分野ごとの配分を前提に開拓先を設計する必要があります。

06まとめ — 求人開拓で確認すべきこと

  • 外食業で止まったのは新規取得。既存在留者の更新・分野内転職は継続している
  • 外食企業への開拓は無意味ではないが、提案できる人材が国内在留者に限定される
  • 海外の求職者プールの出口を確保するには、他分野の受入企業の開拓が必要
  • 開拓先は「人手不足の深刻さ」ではなく受入枠の残りで選ぶ
  • 制度側の数字は動く。開拓先の選定は定期的に見直す前提で設計する

どの分野にどう広げるかは、貴社が抱える求職者の在留資格・国籍・日本語レベル、 そして既存の取引先構成によって答えが変わります。 一般論だけで決められる論点ではないため、自社の状況に当てはめて検討することをおすすめします。

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